新教養主義宣言
新教養主義宣言 (1999/12/25) 山形 浩生 商品詳細を見る |
著者の言うとおり、これは著者の過去の文書を集めただけのもの。
でも同時に20年以上の耐用年数がありそうだと感じたことも事実。
ここに書かれている問題やら議論やらは10年以上とくに進歩も見せていない(僕が感じている限りにおいて、という意味だけれど)し、
だからって先見の明がある、とかいうのもなんか違う気がする。
当たり前ことを書いているんだと、思う。ちょっと考える頭を持った人なら誰しも納得するような。
でもそれが実現不可能なこととして受け入れられている現状、
みんなわかってるけどやらない、みたいな空気感。息がつまるような閉塞感。
そういうのを浮かび上がらせているように思う。
教養主義宣言はプロローグだけ。
でも中身もエピローグも、刺激がある。
こういう刺激に耐え得るような、あるいは楽しめるような、
あわよくば他の人にも与えられるような人でありたい。