休日にラグビーライターをすることもある(けどお休み気味)

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【読書】閉じこもるインターネット

ある日Googleである商品を検索すると、その日を境にやたらとその商品の広告をネットで見るようになった。
Facebookにおんなじ友達がいるのに、タイムラインで見た人と見なかった人がいる。
最近インターネットを使っていて、そんな経験があったことはないだろうか。

パーソナライズされたインターネットの世界で、人々はそのフィルターの膜(バブル)に包まれつつある、というのが本書の要旨。

「聞きたかろうが聞きたくなかろうが、君に必要だから教える」というアプローチから、「あなたが聞きたいと思っている(とプログラムで判断された)ことを話してあげる」という方向へ動きつつある。
探検・発見指向の世界から、検索・取得を中心としたウェブへ移行する中で、検索・取得されようとした私がしたい、知りたい、買いたいと思ったものを収束し、いつの間にか「貴方はこういう趣味指向がありますね。だからこういう情報がほしいはずです」というものしか示されなくなる。閉じこもっていく。

GoogleFacebookがどんな風にこんな状況を作り出しているのか、そんな技術はどんな人たちが作り上げているのか。そしてその世界から抜け出すために、企業は、個人は何ができるのか、何をしなくてはならないか、を述べる。

特に面白かったのはウェブの世界の立法者たる「ギーク」と呼ばれるような技術者、プログラマーたちの生態の話。「技術決定論者」たちは技術に善悪はない、と考えがちだが、著者は、生み出している以上、責任があるのでは、と指摘している。

「人が検索を行う前に何を調べたいのか、わかるように」したいというグーグルの目指す次の段階。果たしてそこで示される検索結果は「本当に」自分が知りたいと思ったことなのか。消費社会の中で、僕たちはいつの間にかスーパーマーケットにあるものから何かを選ぶ、ということにあまりにも慣れてしまっている・・・といったようなテーマは、哲学・思想の世界などでは目新しいものではないと思うが、ここへ来てあまりにも露骨に、というか、はっきりと、パーソナライゼーションの名の下にフィルターに包まれつつあるのは確かだろう。
こういうことが行われている、という認識があるかないか。現代を生きていく上では大きな違いになるのではないだろうか。


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