桐島、部活やめるってよ
DVDと、
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「何者かではない」自分をどう受け入れていくのか、を巡る話。
映画はこの点により強くフォーカスしている感じ。別のものと思って見たほうがいい。
でも順番は小説⇒映画のほうが絶対おすすめ。映画用にアレンジしている部分もある。
リア充な面々は、いわゆるスクールカーストの上位者で運動もできて、勉強もできて、彼女もいるけど、
自分は、例えばプロの野球選手とかそういう「何者」にもなれないことをどこかで知っている。
というか知らないほど子どもじゃない、というか。
そんな中で突然の桐島の不在によって突きつけられたこの「現実」に、折り合いをつけてく過程。
映画部の最後のゾンビ映画騒動のあとに、さりげなく放たれる
「戦おう、ここがオレたちの世界だ。オレたちはこの世界で生きて行かなければならないのだから」
ってのが主題なのかな、と思う。
いろんな仕掛け、映画としてのうまさも随所に感じる。
クライマックスで吹奏楽部の演奏がバックに盛り上がっていく感じとか。
映画部や吹奏楽部の面々は、リア充な面々に比べると、
すでに「現実」と向き合い、葛藤し続けているわけだけれども、
このあたりの自意識みたいなものは、やっぱりテキストとして小説で読むほうが共感できるし、面白い。
今、宇野常寛さんの「リトル・ピープルの時代」という本も読んでいるのだけれど、
そっちの視点から解釈もできそう。文化批評アーカイブスとか見れば載ってるのかな。