休日にライターのようにラグビーの取材をすることもある(けど最近お休み気味)

平日は私企業で営業マン、休日は時々ラグビーイベントとかの取材をしている30代男性のブログです。でも最近は本とか映画とかの話が多いです。

帰ってきたヒトラー 上下

2011年のドイツ。そこに「彼」が蘇ったら…?というありがちそうで、しかし絶対的なタブーの中で描かれるフィクション。コメディアンとしてデビューした彼は何を思い、何を語るのか。
ありがちなタイムトラベルものというか、タイムワープものと異なるのは題材が「彼」である、ということ。
ドイツでこんな小説が出ることについて訳者は「誰が言っても絶対に信じなかったと思う」とよせている。

「彼」が蘇って私たちの世の中を眺めるまなざしは、現代への鋭い切り込み、風刺。
一番強烈な風刺は人気者になった彼に掲げられたスローガンだろうか。ウィットに富むというか、やられたなぁという感じ。


日本版として読み比べるなら矢作俊彦さんの「ららら科學の子」でしょうか。
きっと訳もいいんだろうなぁという感じがする、「面白い」海外小説でした。