休日にライターのようにラグビーの取材をすることもある(けど最近お休み気味)

平日は私企業で営業マン、休日は時々ラグビーイベントとかの取材をしている30代男性のブログです。でも最近は本とか映画とかの話が多いです。

チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地 内覧会

お台場・日本科学未来館で11月29日から来年3月1日まで「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」が開催されています。

これまで発表してきたアート作品と遊園地を一度に体験できる世界初の企画展

本展は、デジタル領域を中心に独創的な事業を展開するウルトラテクノロジスト集団チームラボが、これまで発表してきたアートと遊園地を一度に体験できる世界初の大展覧会となります。世界各地の美術展などで話題となり、この夏にはニューヨークの著名ギャラリーで高い評価を得た「デジタルアート」と、全国各地で子どもたちを楽しませ、発展を続ける「学ぶ!未来の遊園地」プロジェクトの作品が、日本科学未来館に集結し、これまでにない規模で展示されます。アートと遊園地の新旧作品を、体系的に紹介する本展は、チームラボの魅力と全貌に触れる、またとない機会となります。
会場には、代表するアート作品、遊園地作品それぞれに新作を含む合計14点が、想像を超えるスケールやサイズで展示され、新鮮で驚きのあふれる体験を提供します。また、最先端の技術を操り、世界を魅了する「チーム=人」と「ラボ=実験研究所」の裏側も紹介し、チームラボのクリエーションの秘密にも迫ります。
来場者は、圧倒的な美の空間となるアート展と、思いっきり手や体を動かすことのできる遊園地の全く異なる二つの会場を、自由に行き来し、思い思いに作品と触れることになります。日頃、美術館や科学館へ訪れることの多い学生などの若年層や日本文化に興味のある熟年層だけでなく、子どもがいて美術館に行く機会が少ないファミリー層も親子で一緒に楽しめます。教育、先端技術、ビジネス、広告、ファッションなど、業界に関係なく是非ご来場ください。アート、テクノロジー、遊び、学びの境界を超えた、新しい世界に出会うはずです。
チームラボが創りだすデジタルアートの世界を体験することによって、過去と現在をつなぎ未来を切り拓く、科学技術とアート、学びと遊びの本質や可能性を発見することになるでしょう。

※公式ホームページより
チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地

ラッキーなことに11月29日に開催された夜間特別内覧会に応募、ご招待いただきました。
SNSなりブログなりでの紹介が条件、ということで今日は「チームラボ展」のご案内です。
少ない人数でじっくり見ることができ、より満喫することができました。
夜間まで開館に付き合っていただいた日本科学未来館のスタッフのみなさん、企画いただいた株式会社ウィンダムさん、ありがとうございました。

ではでは、当日の流れに沿って展示の内容などを紹介します。
通常開館時間が終わった17時からスタート。すでにあたりは夕闇に。
まずは日本科学未来館の内田さん、チームラボの工藤さんから開催の意図や見どころのレクチャー。


※写真左手が工藤さん

内田さんからは日本科学未来館の目的や今回のチームラボ起用の意図について。
日本科学未来館はこれまでも様々な企画展を開催してきました。お金展や、
世界のおわり展など、意欲的な展示も。
科学未来館の目的として「科学の未来を見せる」ということがあり、アーティストとのコラボレーションはその目的の一つ。
チームラボはその目的を共有できるのではと考えたこと、メンバー構成の面白さ、大事にしている近代以前のモノの見方への探求心、の3つを評価しての今回の展示とのこと。
工藤さんからもその3つのポイントをベースに表現ツールとしての「デジタル」が持つ拡張性や、
また今回の構成「アート展」と「遊園地」の「遊園地」は台湾での展示の際に見た子供たちの様子から出てきた言葉であることの話、
近代以前のモノの見方は20世紀にたまたま相性が悪くて捨てられてしまったものの中にも、21世紀には相性がいいものもあるかもしれない、
という発想から過去の日本の絵画の仕組みなども研究しつつ、それを表現にも取り込んでいる話などをご紹介いただきました。

10分ほどのレクチャーのあと、いよいよ開場へ・・・!と、その前に、日本科学未来館のシンボル展示である「Geo-Cosmos」も上映。
昼間の明るい時間に見るのとはまたちょっと違った印象でした。

そして、会場に入る前にもう1スポット。入り口の脇には「team LabCamera PHOTO BOOTH」があります。

展覧会のポスターと合成で写真が撮れる、というもの。合成されるまでの流れがとってもスムーズ。
自然にカメラの前に立つと、輪郭を検出して合成され、撮影も空間に手をかざして行います。できた写真はFacebookページに自動でアップされます。
今プリクラとかもこんな感じなんやろか・・・。


さて、写真撮影を済ませたら、いよいよ会場へ。

まずは「アート展」ゾーン。暗幕をくぐると、まずは一面の花畑!

新作のUntitled。断続的に描かれ続ける花々が地面に広がるエリアから始まります。

さらに、次のエリアでは「花と屍 剥落 十二幅対」

「生命は生命の力で生きている」

「冷たい生命」

と、4K(SONYBRAVIAでした)の液晶をキャンバスにしたような作品が並びます。

続いて見えてくるのが、壁一面に広がる「nirvana

図画鳥獣図屏風のようでいて、動きもある作品。
二次元にいかに立体を表現していたかの研究を活かした作品でもあります。


作品を楽しむだけではなく、その背景を読み解きながら見るのもよいです。
またこの作品は複数のプロジェクターをつないでいるので、うまく近づくと自分の陰が全くない状態で、作品の目の前まで行くことができます。

nirvanaに見惚れて見逃してはいけないのが、その脇にある「世界はこんなにもやさしく、うつくしい」


アート展ゾーンでは一番わかりやすくインタラクティブなこの作品は、
壁に映し出されている「空」や「花」といった文字に触れるとそれに合わせて映像も変化していく、というもの。
始めはその反応を追いかけてしまいますが、徐々に作品の持つ世界観に入っていきます。

アート展ゾーン最後の作品は、「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして分割された視点」

これが圧倒的だった。光が踊ってます。

床のビニールっぽいようなところにも乱反射

作品の背景にはいわゆる「板野サーカス」というアニメ等で使われるアクションの表現技法を3Dでやってみる、ということがあるそうなのですが、
前提となるような知識などを持たずに、ただただその迫力を楽しんでしまいました。

この後は遊園地ゾーン。その前では、オフィスの様子が再現されています。

遊園地ゾーンは子どもも大人も楽しめる作品がたくさん。

六本木でも見たことのあった「光るボールのオーケストラ」

タッチ系のインタラクティブ作品、「まだ かみさまが いたるところにいたころの ものがたり」


※すみません、これだけちゃんとした写真がなく…象形文字の解説とセットでどうぞ!!

描いた絵をその場でスキャン、3Dになって動き出す、「3Dお絵かきタウン」と「お絵かき水族館」。

ひっつけると色が変わるブロックで遊べる「メロディブロックチェア」

手を伸ばして小人たちと遊べる「小人が住まうテーブル」

さらにはステップに合わせて床が変化していく「天才ケンケンパ」


そして、一番面白かったのがこれ。
「つながる!積み木列車」

ブロックの位置で街の様子が変わり、ブロックを並べる平面はもちろん、そばのスクリーンの立体映像も連動します。

気がつくと周りの人と協力して電車を一周させよう!とか、意思統一が出来てきて、いろいろ試してみんなでワイワイやる感じが楽しい。
そう、遊園地ゾーンのテーマは「共創」。
社会で求められるチームでクリエイティブな成果を出す、ということに、
全身を使って、身体で感じながら、周りに影響を与えながら、共同で創造していくこと、を体験する、というねらいがあります。
実際内覧会に参加していた子どもたちが大いに楽しんでいた様子ももちろん、大人も無心になって楽しむことができました。


以上、アート展ゾーン8作品、遊園地ゾーン7作品。
チームラボとしても、日本科学未来館としても1組のアーティストでここまでやるのは初めてという大規模展示です。
最初のレクチャーの際に、「僕たちの作品は実際に来て、楽しんでもらうことが一番なものだから」という話がありましたが、
まさにこんなに長々と写真と言葉を見てもらうよりも、実際に来て体験することが本当におすすめです。


さて、チームラボの作品群はいわゆる「メディアアート」に分類されるものだと思うのですが、
今回の内覧会で感じたことを一つ挙げるとすると、もはや「メディア」アート、と断る必要はないんだろうな、ということ。
展示では作品ごとのキャプチャもあって、その仕組みだったり、どういう技術か、といったことも紹介されています。
これはいわゆる今までの「アート」も同じで、絵画なら印象派ってこういうのでー、とか、音楽でもロマン派ってー、とかありますよね。
知っていることでより楽しめる部分もあるんですが、無くても味わうことができる。
個人的にはメディアアートの展覧会が好きで、よく行くんですが、わりと解説とか、そこで使っている技術がどう、とかを理解して合わせ技一本!って印象を持つものが少なくない。
でも、今回の展示について言えば、そういった前提知識がなくても楽しめる、単純にすごい、面白い、と思えた、という話。

よくよく考えれば、どんなアートも「媒体」という意味とイコールでメディアを使っているわけで
(例えば油絵ならキャンバスが、彫刻なら木や石を)、「デジタル」だからといって区別するのももうそろそろナンセンスなんじゃないかなぁと感じた次第です。

余談ですがそんな展示なので、図録も苦労してた感じがしています……なかなか難しいですが、特定のURLを掲載しておき、
会期が始まってしばらくしてからそこに映像をアップしたり、特定のサイトへのアクセス権、もしくはデータダウンロードだったりとか、
ARを組み合わせたりとか、図録もまたアップデートする方法があるよなぁと感じました。
ホームページにはすでに動画もあるんだし、せっかくの図録だからなぁと思う次第です。


すっかり長くなりましたが、難しいことは抜きにして楽しめる展示です。
会期もまだまだこれから。アンドロイド研究で有名な石黒浩先生とのイベント(12月23日)や、クリスマスイベントなどもあるようなので、ぜひぜひ足を運んでみてください。

ちなみに会場へは都バスが安くて便利!(だと思う!)
土日は門前仲町と森下、豊洲から直通バスもありますよー!
交通案内 | 日本科学未来館 (Miraikan)