休日にライターのようにラグビーの取材をすることもある(けど最近お休み気味)

平日は私企業で営業マン、休日は時々ラグビーイベントとかの取材をしている30代男性のブログです。でも最近は本とか映画とかの話が多いです。

言いたいことを聞いてもらうために-アテンション 「注目」で人を動かす7つの新戦略

言いたいことも言えないこんな世の中じゃ…ポイズン、というフレーズは、中身はともかく頭に残っているのですが、言いたいことを聞いてもらうためにもまずは「注目」してもらわないといけない時代になったよね、という話からスタートします。

 

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著者のベン=パーさんは主にテクノロジー系のベンチャーをターゲットにする投資家。その活動の中で特に顕著になっている「いいものがあったって注目してもらえないなら意味がない」「情報過多の時代において注目はもはや希少資源である」という実感をもとに、じゃあ「注目」ってどういうものか、それが働く仕組みはどういうものか解き明かそうとしたのが本書。

 

まず1章で詳しく解説されるのが、「注目」の種類。たき火に例えて、3段階・3種類あるとする。

1つ目は点火のとき。即時の注目。無意識の反応のレベル。

2つ目は藁火(って言うの?私は初めて知った言葉でしたが)…短期の注目。ほかに何かがあると気が散ってしまうレベルだけれども、意識・集中が向いている段階。

3つ目がたき火として成立した状態。長期的に興味・関心が向けられている状態。

 

で、この注目が働くきっかけとして著者が唱えるのが、2章~8章で1つずつ紹介される7つのトリガー。

1つ目は無意識に働く「自動トリガー」。

2つ目は人の世界観や(意識・無意識にかかわらず)物事の捉え方に働きかける「フレーミングトリガー」。

3つ目は人の予想を覆す、こうなるだろうという期待をあえて裏切る「破壊トリガー」。

4つ目は「報酬トリガー」。外部的な報酬はもちろん、内部的・精神的な部分も含まれるもの。

5つ目の「評判トリガー」は、外部の専門家、あるいは大衆などの力を借りるもの。

6つ目はドラマなんかでよくあるような、「どうなっちゃうのー?」的な謎・サスペンス(クリフハンガーという言葉で紹介)による「ミステリートリガー」。

最後の7つ目が「承認トリガー」。いわゆるマズローの五段階欲求の最終段階である「承認欲求」、他者から認められたい、という思いに働きかけるもの。

 

こういう風にまとめると、それぞれのトリガーの背景や、内容そのものはマーケティング関連本や、心理学の本、人の意識に関する本などを読んだことがある人にとっては、どこかで聞いたような・知っていると感じるようなものかもしれません。ただ、それぞれの働きを「注目」という観点で考えてみるとどうか、あるいは組み合わせていくとどうか、あるいは実例は?といったところが満載。もちろんこれらは一般的な法則ではないので、個別のケースごとに考えていく必要があります。ただ、発想のヒントをまとめた本としてだけでもなかなか面白い。迷ったら、小林弘人氏の解説を読んでみてどうするか考えるのがよいかと思います。

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