2015年までを振り返る、そして次へ-ラグビー日本代表 1301日間の回顧録
2011年から2015年までの日本代表振り返りシリーズ。これまでもエディー・ウォーズはじめ、いくつか紹介してきましたが、これがタイミング的にも最後の一冊になるのではないでしょうか。
全テストマッチを取材、戦術的な観点からの分析もするどい斎藤健仁さんの一冊です。
- 作者: 斉藤健仁
- 出版社/メーカー: カンゼン
- 発売日: 2016/06/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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全5章の構成で、1章から4章まではエディーの就任会見から、ワールドカップ・アメリカ戦後の会見まで、主要な試合をピックアップしつつ、日本代表がいかに戦ってきたかを追います。その時々のセレクション、試合のメンバー表やスコアも掲載されているので、その変遷を追い掛けるだけでも面白い。そうか、この試合はこの選手が出ていたのか、ということを思い出させてくれます。さらに、どのタイミングから選手を絞ってきたのか、ポジションによる違いも見られます。会見の言葉だけでなく、こういうところでも改めてエディーさんが長短織り交ぜた視野を持っていたことを感じさせます。
さらに、14人の選手へインタビュー。特に代表から途中で離脱した(離脱せざるを得なかった)菊谷、小野澤、佐々木隆道らへのインタビューがあるのはこの本ならでは。中にもいて、そして外からも見たとき、何を語るのか、非常に興味深く読みました。
と同時に、もう次を向いてかないとなんだなぁと。当たり前っちゃ当たり前ですが、いつまでも浸っていてはいられないんですよね。
2015年の旅は終わり、2019年へ。そういう意味でも振り返り本の最後であってほしいし、それにふさわしい内容だったと思います。
選手やエディーのドラマみたいな要素は少なく、万人受けはしないかもしれませんが、事実を中心にまとめられた一冊です。