休日にライターのようにラグビーの取材をすることもある(けど最近お休み気味)

平日は私企業で営業マン、休日は時々ラグビーイベントとかの取材をしている30代男性のブログです。でも最近は本とか映画とかの話が多いです。

小倉のキックパスは準備していたプレーだったか(17.05.20 SR ROUND13 シャークス戦)

サンウルブズ、今年もシンガポールでの勝利は叶わず、既報の通り13節は17-38で敗れました。

堀江、立川、大野が復帰し、5連戦目のシャークスに対してBYEウィーク(休み)明けで必勝を期して臨んだと思うのですが、苦しい結果になりました。

 

結果として最終盤の3連続トライを奪われるきっかけになってしまったのが、表題の小倉のキックパスでした。

負傷者が相次ぐ中、おそらくキックが難しい状態となった田村に代わって出場した小倉。いきなりPGを決めて4点差。その後のキックオフ(福岡を狙われたプレーは何か対策考えないといけないですね…)からシャークスの猛攻10分間をなんとか耐えて(立川のインターセプトはすごかった!!)笹倉のタックルから相手のノッコンを誘い、マイボールスクラムに。自陣ゴールラインまで7mぐらいの位置。残り7分。4点差。

スクラムから出たボールをどうするのか。キックで進めてもまた相手ボールでのラインアウトだし、ノッコンも多くて、コンディション考えてもこの位置からトライまで持っていける自信もなかったと思います…。

 

で、解説の栗原さんもどうやって進むか…みたいな話をしている中でのキックパス!完全にシャークスの意表を突くプレーではあったのですが、痛恨のノッコン…。そこからの攻防は振り返るのもつらい展開になってしまいました。

 

どうしてもフォワード中心のカメラワークになっているので、何とも言いきれないのですが、スクラム前のJ-Sportsの映像を見る限りだと、バックス陣は何か会話はしている様子でした。これまでの日本のやってきたラグビーを思うと、選択肢として一か八かに見えてしまうかもしれないし、結果失敗してしまったのですが、江見は完全にフリーだったし、しっかり下がった位置から小倉のほうを見ながら走り出しているので、オプションとして用意していたプレーだったのではと、見ています。

 

キャッチできなかった江見個人が責められるべきではないと思いますが、用意していたプレーだったとしたら、それが結果うまくいかなかった。そこからズルズルと3本取られてしまった。そこは大いに修正すべきだと思います。ただ、あそこまで正確にコントロールできるんだったら、これからももっと武器にしていいプレーだったとは思うのです。

あれを前半20分とかでやってれば何やってんねん、リスキーすぎるやろと思います。キックパスというプレー自体が不確実な要素を多分に含むものであることは間違いない。ただ、いみじくも解説がありましたが、蹴った小倉の、そして栗原さんの所属チームであるNTTコムでは「フットパス」として、より正確なキックパスを練習しているという。最後の10分で何か一本取るためのビックプレーが必要、となったときに、戦略的な交代で投入できるインパクトプレーヤーもいない、エディのときのように自陣ゴール前からつないでつないでいくような「過酷な訓練」もできてない、となれば、必要な選択肢の1つだろうと思うのです。

 

ハリケーンズがキックパスをうまく使ってトライを取った試合もありました。ハリケーンズじゃないんだから、という考え方もあるだろうし、ハリケーンズの先のオールブラックスと戦うんだから、という考え方もある。ティア1と戦っていく中で新しいオプション、戦術ももちろん必要です。ループプレーのように、キックパスは「ジャパンらしさ」として取り入れていくのか、そうじゃないのかはこれからの試合で見ていきたいポイントの1つになったのですが、少なくともシャークス戦のキックパス自体は用意があって、しっかりできたプレーだったんじゃないかと言い聞かせて、次への希望・楽しみを何か見つけるとしたら、これかな、と思っています。

 

けが人続出。次節、そして6月がどうなるのか。不安なような、楽しみなような……。