【番組】本当に怖い応援団の話……/目撃!にっぽん
(ちょっと追記しました)
「応援団」の強制感というか、体育会系の激しさがどうも苦手です。
ロッテの応援とか行ってるやん!というツッコミは甘んじて受ける。でもなんていうか、体育会系丸出しの応援団ってあるやん。あの、気合じゃー!的な、アレ。
昔アメリカ人の人が撮った高校野球のドキュメンタリーで紹介された智弁の応援団もなかなかきつかったけど、大学や社会人もすごいですよね。新卒で入った会社が紙関連だったので、王子製紙や日本製紙の出場する都市対抗野球に動員で見に行ったことがあるのですが(普通に野球として楽しませていただきました)、あれを仕切る応援団ってけっこうすごいんだろうな……と思っていたところ、そんな応援団に問答無用で配属される新卒の子たちを取り上げたドキュメンタリーが、先日放送されました。
目撃!にっぽん「配属先は“応援団”?~鷺宮製作所 新人たちの夏~」
社会人野球の強豪、鷺宮製作所。新入社員は研修も兼ねて皆、強制で応援団に参加させられる。この夏都市対抗野球の応援に挑んだいまどきの若者たちは何を学んだのか。
社会人野球の頂点を決める都市対抗野球。東京都代表の強豪、鷺宮製作所は従業員1200人の自動制御機器メーカーだ。この会社、ユニークな制度を導入している。新入社員は皆、強制的に応援団に参加させられるのだ。社会人の心構えや会社への帰属意識を養うのが狙いだが、新人たちは「資格の勉強がしたい」「仕事を早く覚えたい」など疑問を持つ者も。彼らは大会を通じて、何を感じ、学ぶのか?新人たちのひと夏を見つめた。
都市対抗野球に毎年のように出場する強豪、鷺宮製作所。「新卒社員は研修も兼ねて皆、強制で応援団に参加させられる」という……。しかもそれは事前に知らされず、入社して初めて言い渡されるのだという…。
さらにその練習がすごい。土曜日も含めて週3日。業務として認められており、残業代も出るそうなんですが、
・30度を超える初夏に炎天下のアスファルトで腕立てして、手が熱い!って言ったら「そんなの我慢しろよ!」「押忍!」
・昼休み45分の大半は「自主練」で、営業の子はワイシャツ姿で「○○お願いします!」みたいな感じで動きの練習
・野球を見たこともなく、ワンテンポ遅れてる子に具体的なアドバイスをするわけでもなく「なんかしんないけど、もたもたもたもたみっともないからやめろ」
とか。業務として認められてる=業務命令だからやらざるを得ないという……
会社側の意図としては、「理不尽なこととか、やりたくないことをどう乗り越えるか」を考えるヒントになれば…という話で、番組も不満を持っていた技術の子と、営業の子の2人をメインに、会社の意図をコミュニケーション取って理解したり、思い切ってやって恥ずかしさを乗り越えたりして、本番を超えて、めでたし、めでたし、ってなるんですが。
なんていうか、時代錯誤感がすごいと思っちゃったんですが、否定的なツイートだけじゃなくて、こんな反応もあるぐらいだから、まだまだ日本の闇は深い。
鷺宮製作所応援団ドキュメンタリー良かった!
— 山口晃平 (@kopepe1026) August 25, 2018
応援なんてやりたくねぇよ
↓
愚痴、やる気なし練習
↓
NTT東日本の応援風景を見て、気持ちが切り替わる新人達
↓
都市対抗野球の場で大活躍
都市対抗野球で活躍する応援団、良いですねー。#都市対抗野球おじさん#応援団すごいぜ
鷺宮製作所の新人さんは応援団に配属。社会人を何年もやっている私より、目標を達成する中での過程が大切と気付いたり、上がり症の営業担当の新人さんが自信が欲しいと毎日昼休みも練習し苦手を克服しようとする姿に社会人としても人としても大切な物を学んだ気がする #鷺沼製作所 #目撃にっぽん
— ユリ香 (@arimin_g) August 25, 2018
ただ、ふと思って調べてみたのですが、離職率は想像以上に低い。
まぁ7月までだし、なんとか我慢しちゃうんだろうなぁ、今のところ……。
でもね、確実に1人はやめてる。これが原因かはわかりませんが。
なんていうか、「資格の勉強したいのに…」って言ってた子が、なんか前向きになった風になってすごくつらそうなまばたきをしながら前向きなコメントを絞り出してる姿とか、本当にうすら寒いというか、もともとの感覚のほうがよっぽど正常やで!と伝えたくなる…。応援団自体もそれでいいんだろうか……。
鷺宮製作所広報もこれ全国放送OKしたんだよね、と思うと、もっと怖い。NHKも含めて、これでいいんだってなっちゃうあたりが本当に怖い。本来スポーツって楽しいものだと思うし、スポーツで得られる一体感とか会社への帰属意識ってそれでいいのかしら?とか、こういう形で無理やりやるのって、すごく甘えじゃないか、って思うんですが……。このへんの感覚ってまだまだ一般的じゃないんだな、というのが知れたので、それがよかったと思うしかないんですかね……。
追記:「応援団」自体を否定する気は全然なくて。やりたくてやってる人はそれでいいと思うし(ちゃんと労働基準法には準拠してね!)、冒頭書いたとおり、僕もプロ野球の応援とか好きです。ロッテの外野席で歌ったりします。一体感、産まれるし、楽しい。仕切ってくれる人もありがたい。
でもそれを強制するのも違うと思うし、入社するまで黙ってるのも間違ってると思う。それで無理矢理やらせて、帰属意識を持たせるってのが、単にコミュニケーションをサボってるというか、甘えだと思うのです。
さらに言えば、仕事の理不尽とか、やりたくないけどやらなアカン状況は普通に仕事で乗り越えればいいじゃないですか。それを職場でサポートすればいいじゃないですか。そこを応援団に押し付けるのは、やりたくて応援団やってる人にも失礼やし、誰も幸せにならないんじゃないかしら、と。