休日にライターのようにラグビーの取材をすることもある(けど最近お休み気味)

平日は私企業で営業マン、休日は時々ラグビーイベントとかの取材をしている30代男性のブログです。でも最近は本とか映画とかの話が多いです。

森山大道展

1.レトロスペクティヴ1965−2005
2.ハワイ

このたび、東京都写真美術館では日本を代表する写真家・森山大道の個展「森山大道展1.レトロスペクティヴ1965-2005/2.ハワイ」を開催いたします。
商業デザイナーを経て、写真家・岩宮武二、細江英公に師事した森山大道が、フリーの写真家としてデビューをしたのは、1963年のことでした。“アレ、ブレ、ボケ”と形容されるハイコントラストや粗粒子図面の荒々しい写真表現で60年〜70年代の日本の写真界に一石を投じ、常に「写真とは何か」を問い続けてきた森山の作品は、初期の代表作『にっぽん劇場写真帖』(68年)、写真への問いをラディカルに突き詰めた『写真よさようなら』(72年)、スランプからの再起となった『光と影』(82年)、最新作『ハワイ』(07年)など、どれも注目を集めるものばかりです。そして、肌身離さず持ち歩いているコンパクトカメラは、一貫して路上から見える日常の断片をスナップショットとして収め、その力強い作品群から放たれる欲望、孤独、不安感は見る人の感情を大きく揺さぶります。

本展では、今日、世界的にも高い評価を受けている写真界の巨人・森山大道の「足跡」と「今」を2つの展覧会によって展開。「レトロスペクティヴ 1965-2005」では代表作に加え、未発表作を含む約200点を、最新作「ハワイ」では、神秘的な自然と人々の日常をモノクロームで捉えた、独自のハワイを一堂に公開。写真集『ハワイ』で未発表の作品も含め約70点を大型プリントでご紹介します。写真の根源を突き詰める森山の作品群を、思う存分にお楽しみいただける展覧会です。


東京都写真美術館ホームページより抜粋
http://www.syabi.com/details/daido.html

森山大道の「写真」に対する軌跡を辿る展示と、今現在の位置を示す展示。

レトロスペクティヴでは初期代表作から、2000年代の新宿まで、
写真とはなにかを問い続けた森山大道の作品群を、いくつかの言葉とともに見ることができる。
ハワイに関しては、最新作の紹介、という意味合いが強い印象があったが、
壁一面の特大のプリントをはじめとして、単に写真集を買うのとはまた異なる楽しみがある。
「ハワイ」に掲載される約300点の中から森山大道自身が選んだ、というのもまた興味深い。
選考の基準なども知りたいところではあるが、そうなるとまずはハワイを買わないと・・・。

レトロスペクティヴを中心に考えてみると、
この展示は大道による「写真とはなにか」という問いに対する探求であって、
それは「光と影の化石」によって「自己の生の時間との交差する一点」に見つけられる
「真のリアリティー」に迫る試み、となるのだろう。
それを見出すのは1970年代のスランプとニエプスの写真がキーになると思うのだが、
森山大道の展示、ということで今回はそれがないのが残念。



問題となるニエプスの写真

画像出典元、拡大版はこちら
Wikipedia「ニセフォール・ニエプス」より



とはいえ森山大道の軌跡を辿る中で、もちろん彼自身の作品群からそれらを追うことも
十分に可能であると思われるが、
中平拓馬らをはじめ、他の写真家との関連からも追うこともできるだろうから、
それはそれで別の展覧会になるのかもしれない。

カメラと人間の目の機能としての比較、なんてことを考えたり、
森山大道と自分自身とのかかわりについて改めて考えてみたり。
後者についてはそこに対して何もないことも改めて実感した。
モノクロの、しかし目を惹き付けるその写真にいつ出会ったのか、
どこで知ったのかといったあたりもほとんど覚えていないし、
単に「もりやまだいどう」という音の響きというか、名前の響きから入っていったような気さえする。
そんなもんなのかしらね。