道徳の系譜学
道徳の系譜学 (光文社古典新訳文庫) (2009/06/11) フリードリヒ ニーチェ 商品詳細を見る |
非常に時間がかかりましたが、なんとか読了。
いちおう論文形式ということもあって、ほかのニーチェより格段に読みや
すいけれども、苦戦したことは確か。
自らを「よい」として始まる貴族的道徳、
相手が「悪い」―その感情はルサンチマンに基づく―
ゆえに、相手でない自分は「悪」ではなく「善」とする司牧者的道徳
の差異を示す第一論文に始まり、
キリスト教―つまり西洋文明の根本的価値観であり道徳観あるものをこき下ろす。
人間だけが「禁欲」を是とし、自らを苦しめることに価値を見出している、その生物的な倒錯、
しかしそれが人間全ての歴史に面白みを与えてきたのも事実―そんな結論で第3論文まで。