【読書】ひとりで死んでも孤独じゃない
自立死、という考え方を提唱し、孤独死≠自立死として、そのヒントをアメリカから探していく。
曰く、個人が自立して生きていくことが社会の大前提となっているアメリカでは、様々な公的サービス、民間サービス、NGOが高専住宅、宅食サービス、緊急通報サービスなどを運営しており、自立した一個人として、その日を迎えることができる環境が整っている。もちろん様々なサービスをある種の悪意を持って使うユーザーもいないではないが…その内容の紹介、ルポが1章〜6章。
そして最後の7章で、日本ではなぜ孤独死だけが定着してしまったのかを考える。例えばOECDの社会的孤立度を測った調査によると、日本の「家族以外の人と、まったく付き合わない、めったに付き合わない」と答えた割合が15%と、参加20か国中トップであったこと、を始めとした、ウィークタイズなどと呼ばれるようなものの弱さや、雇用体系の問題などに触れていく。
やや7章の分量の少なさもあって、分析というか、考察がもう少しあっても、という気はしたけれど、例えば若者の雇用や生きづらさみたいな問題も、本書のような老人の問題も、根底では共通していて、いろんなゆがみ、ひずみ、社会の無理のしわ寄せがこういうところからあらわになってきているのかもしれないな、と実感。
http://booklog.jp/item/1/4106104563
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