続き
夏葉社のこの本を読んで真っ先に思い浮かんだのが、ブクログレビューでもちらっと触れた「ボン書店の幻」。
- 作者: 内堀弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/10/08
- メディア: 文庫
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内容なんてそっくり。
内容(「BOOK」データベースより)
1930年代、自分で活字を組み、印刷をし、好きな本を刊行していた小さな小さな出版社があった。著者の顔ぶれはモダニズム詩の中心的人物北園克衛、春山行夫、安西冬衛ら。いま、その出版社ボン書店の記録はない、送り出された瀟洒な書物がポツンと残されているだけ。身を削るようにして書物を送り出した「刊行者」鳥羽茂とは何者なのか?書物の舞台裏の物語をひもとく。
話の中で、「出版社をやりたい、という相談を受けることもあるが、
『借金もあるし、使えるお金も少ない でもどうしてもやりたいならやればいい』と答えてる」
という一節がある。
で、本を出すにあたってTwitterとかが大活躍をしていることも紹介されてはいるんだけれど、
このどうしようもなく儲からない、でも人を惹きつける「文学」というようなジャンルでも、出版する、
ということに対してIT(SNS)-里山Web的なものはどこまで貢献できるのかなぁ、なんてことをぼんやりと。
こないだのTBSラジオのLifeの中で、海猫沢さんが、
「文学とかって、本来は一つの作品が100万人に必要とされるものではないんじゃないか」って話をしていたけれど、
1万人、3千人に必要とされるようなコンテンツとして経済圏回していく、そういうやり方であるとは思う。
地理的なつながりではなくて、物理的な距離があったとしてもつながれるような、趣味嗜好的なつながり。
考えてしまうのは、それって誰もができることなの?持続するの?ってところと、
物理的な距離をカバーするのはやっぱり既存のインフラというか、物流網であること、でしょうか。
だって島田さんすごいしね。なかなか一人でここまでできないよ、と思ってしまう。
突き動かす何か、があったりするんだろうけれど、なかなかね、誰しもがそれに動かされるものではないとも思うので…。