休日にライターのようにラグビーの取材をすることもある(けど最近お休み気味)

平日は私企業で営業マン、休日は時々ラグビーイベントとかの取材をしている30代男性のブログです。でも最近は本とか映画とかの話が多いです。

リッチーの自伝は想像以上に濃かった-突破!リッチー・マコウ自伝/グレッグ・マクギー 著 斉藤健仁/野辺優子 訳

ミスターキャプテン、紛うことなきGreat All Black、リッチー・マコウの自伝。こんな本が日本でも出るような時代になって本当にうれしい。いや、リッチーの自伝ならW杯前でも出たかもしれないけれど。でも2011年までの旅をまとめたこの本がこのタイミングなのはやっぱりそういう要素もあると思うのです。

 

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ボリュームも400ページ近くだけれど、中身も濃い。もちろん後で映像を見たりしながら、ということもあるのかもしれないけれど、よくそれだけ試合のことも覚えてるなぁ、と。

元本は2012年にニュージーランドで発売されたものということもあって、2007年フランスワールドカップでの悪夢から、2011年の歓喜の瞬間までをメインに、リッチー本人の言葉として語られてゆく。著者のグレッグ氏もプロフィールを見るとベストセラー作家というだけではなくジュニアオールブラックスの選出実績もあり、オールブラックスの候補合宿にも参加しているというラガーマン。試合の濃厚な描写はこのあたりも影響しているのかも。

2007年フランスW杯の悪夢、というと、これ。

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※画質は粗いけれど、ハイライト付きのはこちら。

France-Nouvelle Zélande Coupe du Monde 2007 - YouTube

本はGAB=「Great All Black」を初めて意識したU19のトライアルに参加したときの叔父との対話…計画をナプキンに書いてしまっておいた話から始まる。そして2007年W杯、カーディフでの敗戦、そして負けた後のこと。帰国したときのこと、してからのこと。そして頻繁に登場するグライダーへ乗っているときの話、子供のころの話を少し。次のヘッドコーチをめぐるロビー=ディーンとグラハム=ヘンリーに対する思い。そこからクルセイダーズオールブラックスでの戦いを追ってゆく。その中で、24時間オールブラックスでいることについての話や、プロ選手としてスポンサーとの関係、アリ=ウィリアムズやダン=カーターなど、チームメイト、仲間たちの話もいろいろ入っていく。そして2011年。地震。本大会、盟友ダン=カーターの負傷、さらに……

どうしても直近の2015年大会の活躍(それはダン=カーターも含め)のこともあるので、2011年の決勝で終えてしまい、この後も読みたいのに!という気持ちにはなってしまうかも。しかし、濃厚な試合の描写…特に試合のところでは戦術や、あるシーンでどちらの肩にタックルに入ろうとしていたかまで描かれているのは読みごたえばっちり。

ありきたりな言葉にはなってしまうけれど、リッチー=マコウという人のファン、オールブラックスのファンだけではなくて、ラグビーファンにとってはたまらない一冊なのでは。