休日にライターのようにラグビーの取材をすることもある(けど最近お休み気味)

平日は私企業で営業マン、休日は時々ラグビーイベントとかの取材をしている30代男性のブログです。でも最近は本とか映画とかの話が多いです。

6月25日、スコットランド戦を終えて…。スタジアムの運営とか交通事情とか。

6月25日、味の素スタジアムでの2016年春シーズンのテストマッチ最終戦、スコットランド戦が終わりました。結果はすでに各所で報道されている通りです。連敗。

 

試合展開としては、スコットランドはバテバテだったにも関わらず、メンバー構成的に主力メンバーを温存し後半勝負を仕掛ける、というゲームプランが完璧に遂行されたのに対し、ジャパンは足こそ止まらなかったものの、後半になればなるほど単調な攻撃→ミス、ターンオーバーを繰り返してしまった、という印象(個人的に)。

もちろん、これまでにないチームの体制、ましてセレクションにすら関わらせてもらえなかったハメットを責めることはまったくできず、選手も精一杯やったし、こんな状況でもカナダには勝ち、スコットランドと競ることができた、と評価することも可能です。しかし、なぜこんな状況で大事な春シーズンを終えてしまうことになったのか。まして天覧試合となったスコットランドとの第2戦に勝っていれば、今回3.4万人だった観客はさらに…という期待も持てただけに、まさか運営側は接戦になったし最多のお客も集まったから、と結果に満足してないよね?と問いたい。なぜこういう体制で春シーズンを迎えざるを得なかったのか。スーパーラグビーへの参戦は去年から決まっていたことで、わかっていたにも関わらず、そのまま迎えざるを得なくなってしまったのは、どこかで仕方ない、という判断をしたはず。

「初めてのことだから、色々考えて対策しようとしたけど、うまくいかずにこうなってしまった」というなら、どういう対策をしようとしたのか、それがなぜうまくいかなかったのかをきちんと総括し、ファンにも説明して欲しいのです。担当者はつらいけど。でも同じことは二度とできません(一度だって本当はダメだと思う)。

 

と、まぁこの話はいったんここまでにして。

もう1つ気になったのは25日当日のスタジアムの運営体制や交通手段の話。いろいろありました。当日私はストリートラグビーの取材で早くから味の素スタジアムに入っていたため、直接目にした部分は限られているのですが、ちょっと整理しておきます。

 

 

1.来場までの話

なんと言っても大きかったのはこの話。

www.daily.co.jp

 

味の素スタジアムの最寄り駅である飛田給駅に向かう京王線が、まさかの人身事故。当日は臨時で準急、特急を停めるなど、この試合に合わせて準備していたこともあったにも関わらず、最悪のタイミングで起こってしまいました。

時間もちょうどキックオフの1〜1.5時間前ということで、記事にもあるように間に合わなかった人たちも出てしまいました。

ただ、なんらかのトラブルで列車が止まってしまう、というのはあり得る話です。ちょっと原因は違いますが、私も昨年のイングランド大会のスコットランド戦、グロスターに向かう途中の列車が乗換駅でこんな体験をしました。ロンドンから10両ぐらいの特急でその乗換駅に着いたのですが、そこで待っていた列車はまさかの3両!とてもじゃないけど乗れない。ここはインドか、と思うぐらいのすし詰め状態に岩渕GMの姿を発見したのもいい思い出です。なんとか英語のアナウンスを聞き取って臨時バスが出ていることを知り、さらにたまたま近くにならんだ日本人とタクシーを掴まえて相乗り、グロスターに無事たどり着いたのですが(疲労困憊の岩渕さんにもすれ違いました)、要は代替の交通手段があるのか、ということと、アナウンスがきちんとされたのか、ということ。

後でも触れますが、帰りこそ小田急、中央線に向かうシャトルバスがありましたが、行きは京王線のみ。都心の新宿からはほかの交通手段がありません。また駅や車内のアナウンスも、私は居合わせていないので今回は分かりませんが、日常では人身事故に関するアナウンスが英語でなされているのを聞いたことがなく、おそらくなかったのではないかと。

本番は5万人来て、半分は海外の方…となり得るわけで、なるべくトラブルの少ない交通手段を複数準備しておくこと、また何かあった時も含めてアナウンスの多言語対応は必須でしょう。それこそ「おもてなし」だと思うのですが。

 

 

2.来場してからの話

この日は代表戦初の天覧試合。ということもあって、普段よりも厳重な警備体制が引かれていたようです。ペストリアンデッキからスタジアムへの入り口(④)で手荷物検査があり(あまり厳密ではなかったようですが)、さらにスタジアムのコンコースに入るのもメインとバックで1か所ずつ。

で、何が起こったかというと、当たり前ですが長蛇の列。コンコースに上がる階段で人が殺到すると危ないので、人数を切りながらやるわけですが、手で1枚ずつもぎるもんだから時間がかかる。さらにイベントをやってた味パンダ広場からだと、列の最後尾に行ってもどこに向かう列か分からない。案内は拡声器のアナウンス(もちろん日本語)のみ…ということで、看板ぐらいは持たせてほしかったなぁ。

 

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味の素スタジアム公式ページより 

 

あと中の売店ももう少し何とか…。紙コップに350mlの缶ビール移して550円はちょっと…。しかも慌てて入れるもんやから泡だらけで、買ったほうも悲しければ、それを責められる売り子さんもかわいそうでした…。食べ物もなんだかなぁ…というものが多かった。

ただでさえ駅からスタジアムへの道中には食べ物を買える店も少ないし、持ち込みも制限せざるを得ないなら、味パンダ広場に呼んでたキッチンカーももっとうまく連携できるとよかったと思うのですが(中には再入場をうまく使って買いに来てた人もいました)。

 

3.帰るときの話

シャトルバスの出口がわかりやすく、駅とは別方向になってたのは、駐車場の関係だけかもしれませんがよかったです。が、ここでも出てくるのはやっぱり英語対応…。3方向に向かうバスの列も明確には仕切られておらず、違う列に並んでしまう人も、日本人でもチラホラ。人の様子を見ながらバスを回したり、運行自体はわりとスムーズな印象だっただけにここだけが残念でした。

飛田給駅のほうはどうだったんでしょう?人身事故の影響は残ってたのかなぁ。 

 

 

色々書きまして、なんだか文句ばっかりみたいになりましたが、そういう悪かったところもあったけど、もちろん良かった点もあったと思うし(往々にして良かった点は見えづらい)、うまく豊田スタジアムの話も含めて日本中のスタジアムで情報をシェアして、2019年に備えなくてはなりません。

少なくとも代表戦で「3万人が集まるようになった」という前提で、考え方をバージョンアップする必要があります。秩父宮で1万人、ではなくなってしまった。野球やサッカーのときはどうしているのか、など他の種目・競技からも学べることもあるはず。今回天覧試合になって、いつもと勝手が違う、という面もあったかもしれませんが、それこそワールドカップ本番なら国賓を迎えることもあるでしょう。

 

本番まで、機会が限られているのは迎える側も同じだと、そう思うのです。初めてのことだから、うまくいかなかった、はこれで最後にしてほしい。