休日にライターのようにラグビーの取材をすることもある(けど最近お休み気味)

平日は私企業で営業マン、休日は時々ラグビーイベントとかの取材をしている30代男性のブログです。でも最近は本とか映画とかの話が多いです。

2015年までを振り返る、そして次へ-ラグビー日本代表 1301日間の回顧録

2011年から2015年までの日本代表振り返りシリーズ。これまでもエディー・ウォーズはじめ、いくつか紹介してきましたが、これがタイミング的にも最後の一冊になるのではないでしょうか。

テストマッチを取材、戦術的な観点からの分析もするどい斎藤健仁さんの一冊です。

 

ラグビー日本代表 1301日間の回顧録

ラグビー日本代表 1301日間の回顧録

 

全5章の構成で、1章から4章まではエディーの就任会見から、ワールドカップ・アメリカ戦後の会見まで、主要な試合をピックアップしつつ、日本代表がいかに戦ってきたかを追います。その時々のセレクション、試合のメンバー表やスコアも掲載されているので、その変遷を追い掛けるだけでも面白い。そうか、この試合はこの選手が出ていたのか、ということを思い出させてくれます。さらに、どのタイミングから選手を絞ってきたのか、ポジションによる違いも見られます。会見の言葉だけでなく、こういうところでも改めてエディーさんが長短織り交ぜた視野を持っていたことを感じさせます。

 

さらに、14人の選手へインタビュー。特に代表から途中で離脱した(離脱せざるを得なかった)菊谷、小野澤、佐々木隆道らへのインタビューがあるのはこの本ならでは。中にもいて、そして外からも見たとき、何を語るのか、非常に興味深く読みました。

 

と同時に、もう次を向いてかないとなんだなぁと。当たり前っちゃ当たり前ですが、いつまでも浸っていてはいられないんですよね。

 

2015年の旅は終わり、2019年へ。そういう意味でも振り返り本の最後であってほしいし、それにふさわしい内容だったと思います。

 

選手やエディーのドラマみたいな要素は少なく、万人受けはしないかもしれませんが、事実を中心にまとめられた一冊です。

 

6月25日、試合前にストリートラグビーやってます。

ブログの更新が滞りがちな昨今、遅くなりましたが土曜日のご報告です。

先日13日は味の素スタジアム感謝デー、ということで、スタジアムではスポーツ関連を中心に、消防や警察も含めた出展、フリーマーケットなどで多くの人が集まりました。

併設のアミノバイタルフィールドでは、アメフト体験、チアリーディング体験、キヤノンイーグルス東芝ブレイブルーパスサントリーサンゴリアスによるラグビー体験に加え、ストリートラグビーの体験会も実施されました。

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最年少は1歳4か月から、全部で360人のプレーヤーが参加。ラグビーの最大の特徴である「ボールを持って走る」を中心に、ガイドプレーヤーを務めてくれた帝京大学の学生たちとストリートラグビーを楽しみました。

 

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子供の笑顔はもちろん、

 

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家族連れでやってきた人たちの親子対決・お父さんたち同士の勝負など、いろんなシーンがありました。

昨年から話題のスポーツになっているのか、やったことがなくても、ボールを見て「ラグビーだ!」と声を上げる人たちが多かったように思います。

 

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そしてもう一つ大事な取り組みとしてお願いしていたのは、ボールへの寄せ書き。思い思いのメッセージをボールに書いてもらいます。このボールは熊本地震の被災エリアに届けられるとのこと。

いろんなメッセージが書いてあると、思いっきり使うにはちょっとためらわれるかもしれませんが、大事に、そして目いっぱい使ってもらえたらと思います。

 

ボールを送る、という取り組みについて思うこと、ストリートラグビーについて思うこともいろいろあるのですが、この取り組み、25日のスコットランド戦当日も実施されています(18時まで)。

暑い日になるかもしれませんが、ちょっと早めにスタジアムに足を運んで、覗いてみませんか?当日足を運ぶのが難しい!という方には、改めて記事にまとめる予定ですので、そちらもお楽しみに。

「ほぼ日ラグビー」体験記。

6月、テストマッチの月が始まりました。が、全国各地で高校ラグビーから、大学・社会人まで練習試合や体験会を絡めたゲーム、イベントが行われています。

で、もう先週の話になってしまうのですが、アジアラグビーチャンピオンシップの香港戦で「ほぼ日刊イトイ新聞」のイベントとして「ものすごく気軽にラグビーを観にいこう」というイベントがありました。

 

個人的にこのイベントで観戦してきたので、当日の模様を少しご紹介。

 

まずチケット申し込みの段階で、「紅弁」と「白弁」を選ぶことができます。これは当日プログラムなどとともに用意された「ラグビー応援弁当」の種類。日本代表のジャージにちなんだ紅白で、好きなほうを選んで購入します(ちなみに白弁は堀江翔太選手が大好きな崎陽軒のシュウマイ弁当!!)。

来場したら、まず正面入り口に設けられた「ほぼ日ブース」で選んだお弁当とともに特製のプログラムと、他のほぼ日の企画で制作された特製ポップコーンを受け取り、バックスタンド側のほぼ日シートに向かいます。

 

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※ほぼ日ブースはこんな感じ。

 

座席は自由席の一角。一定のエリアに確保されているものの、特にロープなどで仕切られることなく、他の観客と同じように試合を楽しむことができました。

最初にもらった特製プログラムには直前に行われた中竹氏へのインタビューとともに、出場メンバーの顔写真入りの名鑑がカラーで掲載されています。ポジションや身体のサイズ、出身校だけではなく、ニックネーム、会社での所属・仕事内容、自分のアピールポイント、ラグビーをやっていてよかったこと、試合前にやっているゲン担ぎなど、選手一人ひとりのパーソナリティが感じられる内容になっていて、試合前からプログラムを片手にウォーミングアップに出てきた選手を一人ひとり探している様子も見られました。

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※配布されたもの一式。

 

試合が始まるとおなじみの秩父宮場内FMに糸井重里さんが参加。元日本ラグビー協会A1レフリーの民辻竹弘さん、パーソナリティの丸山みづ紀さんとともに、ルールやプレーの見どころ、ねらいなどを聞きながら観戦できる、ということで、「ほぼ日」シートは特にラジオを聞いている人が多かったように思います。試合展開に関することはもちろん、控えメンバーがインゴールエリアでウォーミングアップしていることや、得点後の円陣の中でどんな話をしているか、審判の大変さなど、様々な話題がゆったりとしたペースで交わされていて、1ファンとしての糸井重里さんがじっくり見ている感じでした。

試合終了後は北側のモニターの前に集合。実際にグラウンドに入り、この日試合を行った女子日本代表および、日本代表のメンバー、中竹氏、糸井氏、ほぼ日刊イトイ新聞クルーのメンバーで記念撮影。基本的にはインゴールの中でしたが、グラウンドに入れる、というのは観戦経験豊富な人たちもこのイベントに参加したい、と考えたきっかけになったんではないでしょうか。

 

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振り返ってみると、まず前提として事前の気配りがしっかりしていました。先ほど紹介したような当日の配布物に加え、事前に中竹氏へのインタビューを実施して今回の日本代表の位置づけを紹介するだけではなく、タイムスケジュールや持ち物の案内など、初めてラグビー観戦を行う人たちにも安心して・気軽に足を運べるような情報がありました(タイムスケジュールなんかは、意外と大事なんじゃないかなと思うのです。試合開始のどれぐらい前に行けばいいか、って意外と難しい…)。しかし、さらによかったな、と思うのは試合中は何か強制するような形ではなく、ラジオを楽しむもよし、見慣れている人にはいつも通り楽しむもよし、といったスタンスだったこと。いい意味で「初心者限定」という感じがなく、すでに何度か応援に来ている人はもちろん、「昔ラグビーをやってたり見てたけど最近遠ざかっていました」という人も十分に楽しむことができたのではと思います。まずはシンプルにラグビー場の雰囲気、そしてプレーの生の迫力に触れてほしい。そんな意図が感じられる企画でした。

試合後にアフターマッチファンクション的なモノがあってもよかったのかな、とか、でもそこまでやると料金的に気軽に行けるレベルでなくなってしまうのかな、とか、ほかのイベントと何が違うのか…などなど、今後どういう形でラグビー場に人を集めていくことができるのか、ヒントになるイベントでした。

 

来週はストリートラグビーのある、味スタ感謝デーに参加予定です。

www.ajinomotostadium.com

内容別ラグビー本ブックガイド

すっかり間が空いてしまいました。その間若き日本代表がアジアで躍動し、サンウルブズは惜しい戦いが続き(1度勝ったからと言って、エディーさんの叱咤を忘れてはいけない)、来週からはウインドウマンス…ほんとに年中ラグビーをやっているようになりました。

そんな中、話題としては唐突ですがラグビー本、たくさん出版されていますよね。2011年のワールドカップの後、大野選手や小野沢選手の本も出ましたが、エイムックのRUGGERも2015年までもたずに廃刊になり…という苦境が続いていたことを思うと、昨今のラグビー関連の本・ムックの点数は前回大会はもちろん、これまでの歴史を見てもその比ではなく、言い方はよろしくないですが、バブリーな勢いです。一方で玉石混合の状態になってしまっていることも確か。と、言うわけでそんな中で特にワールドカップ前後に出版されている本を中心に「こういうテーマならこの本が面白かったよ」というものをピックアップしてみました。

※すべて私見に基づくものです

 

・2015年大会を振り返りたい!

ワールドカップ前後に特にクローズアップしたい人におすすめなのは、こちらの2冊。

そして、世界が震えた。ラグビーW杯2015「Number」傑作選 (Sports Graphic Number PLUS(スポーツ・グラフィック ナンバー プラス))

 Numberで掲載されたラグビー関連の記事の再録。新しいものはないけれど、本誌が手に入りにくい状況なので、こちらをおすすめします。「Number文体」と個人的に呼んでいますが、文章のリズム感・雰囲気を存分に感じられる1冊です。

日本ラグビーの歴史を変えた桜の戦士たち

 

著者が「2015日本代表 全31名」となっているように、一人一人の選手が言葉を寄せている本です。アイブス=ジャスティンや、マイケル=ブロードハースト、クレイグ=ウイングなど、この本でしか読めないような選手の話があるのが最大のウリでしょうか。

 

また、来月にはこんな本も出るようです。

 ラグビー日本代表 1301日間の回顧録

 

 著者の斉藤さんは、この4年間すべてのテストマッチを欠かさず現場でご覧になられていた、という方(うらやましい!)。Webニュースや、後半でもご紹介している本などでも読める、戦術面での分析も含めて、期待しています。

 

・エディーさんってどんな人だったのか知りたい!

エディー・ウォーズ (Sports graphic Number books)

 

この4年間のエディーさんと日本代表を追いかけるルポ。個人的に思い出すのは2012年、フレンチバーバリアンズ戦に負けたあとの会見。エディーさんが本気で怒っていたのを覚えています。1ファンとして見に行った後で、やっぱりすごく悔しくて、その悔しさみたいなものをもっと強く持っているコーチなんだな、と思ったことを覚えています。今思うと、怒っている風だったのかもしれませんが…。以前にも紹介しています。

 

・五郎丸をもっと知りたい!

残念ながらケガで6月の代表選はもちろん、今季のスーパーラグビーへの挑戦も終わってしまったとみられる五郎丸選手。しかし、関連の本・グッズが一番出たのはやはりこの人です。「じゆうちょう」も出ましたよね。

彼のバックボーンやこれまでのラグビー人生について知りたいのであれば、大会前に出ていたこちらの本がおすすめです。

不動の魂 桜の15番 ラグビーと歩む

 

選手にフォーカスした本、という意味では、廣瀬俊明氏、田中史朗選手の本も出ています。田中選手の本は実はまだ読めていないのですが、これまでラグビー本を出していた出版社ではないので、ちょっとほかとは違った切り口になっているかもしれません。そして、オールブラックスに興味を持った人には英雄リッチー・マコウの自伝もいいでしょう。

なんのために勝つのか。 (ラグビー日本代表を結束させたリーダーシップ論)   

 

負けるぐらいなら、嫌われる~ラグビー日本代表、小さきサムライの覚悟

 

突破! リッチー・マコウ自伝

 

まったくどうでもいい話ですが、ラグビー選手の本のカバーって正面から腕組みしている写真が多いですよね。本の「見返し」という部分は赤い紙が多い印象です。

 

 

・これからの日本代表について知りたい!

結果を出したエディーさんが辞めて、新しいコーチは秋で、これから代表はどうなっていくの?という話には、やはりGMの岩渕さんの本を読んでみることかな、と思います。すべてが実現できるわけではないし、思った通りに行かないかもしれませんが、ある種マニフェストみたいなものなのかな、と思っています。

日本ラグビー論

 

・ルールがよく分からない、見方も一緒に教えてほしい!

大会の前後、五郎丸選手と同じぐらい出たのがこういったニーズにこたえるルール解説や観戦ポイントの解説本です。その中でご紹介したいのは、こちらの本。

ラグビーを最高に面白く見る方法: 疑問が解ける! ツボがわかる! (KAWADE夢文庫)

 

写真がモノクロでちょっとわかりづらく感じるかもしれませんが、文庫サイズで観戦のお伴にもいいサイズ。説明も比較的分かりやすいように思いました。

しかし著者になっている「博学こだわり倶楽部」って何者…。

 

 

・戦術的な話がわかるようになりたい!

ラグビーを見ていくうちに段々気になってくる人もいるであろう戦術・戦略。野球やサッカーに比べると、どうしてもプレー経験者はもちろん、試合を見る機会も少なく、解説も難しく…。そんな中、戦術に関する著作が多いのが斉藤健仁さん。このタイトルは日本代表の試合のシーンを取り上げ、ボールや人の動きを説明する図版も豊富。タイトル通りスクラムハーフの田中とフッカーの堀江というキーポジション、かつ親しみのある2人の話も豊富なので、スムーズに読むことができるのではないでしょうか。

田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由 ~最強ジャパン・戦術分析~ (ラグビー魂BOOKS-1)

 

もう1冊紹介したいのが東海大学グループ全体の「学園ラグビーコーディネーター」というポジションに就いた土井氏によるこちらの本。

もっとも新しいラグビーの教科書―今、鮮やかに最新理論として蘇る大西鐵之祐のDNA

 

指導者向けに書かれたとのことですが、観戦する上でも試合を俯瞰して見れるようなポイントが盛りだくさん。理論編と実践編からなりますが、理論編だけでもぜひ読んでみてほしいです。「数」「スペース」など、ちょっと見る目が変わると思います。

 

ラグビーを題材にした漫画や読み物がいい!

現在進行中のラグビー漫画、秋にはアニメ化というこちらから。

ALL OUT!!(8) 通常版  (モーニングKC) (モーニング KC)

 

最初はキャラクターの名前だったり、色々引っかかるものもあったのですが、徐々に熱くなってきました。高校ラグビーを題材にした青春モノ、と言えば簡単ですが、主人公を中心にいろんな人物のバックグラウンドも描かれて進むストーリーに、今後も注目です。

 

人類のためだ。: ラグビーエッセー選集

ラグビーへの愛にあふれたライターさんといえば藤島大さん。古いファンの人たちには賛否両論あるみたいですが、とりあえず気にしなくていいでしょう。あぁ、好きなんだなぁというのが伝わってくる文章が、私は好きです。 

 

花園が燃えた日―高校ラグビー 北野vs.伏見工

スクールウォーズで有名な伏見工業と、大阪の公立進学校、北野高校の一戦を描いたルポタージュです。北野高校は前日本代表キャプテン廣瀬氏の母校であるとともに、この試合のウイングには若き日の橋下徹氏も出場しています。当時から強豪校であった伏見工業と、久々に花園に出場した地元北野高校。一進一退の展開が様々な伏線を織り交ぜながらつづられています。

今年、伏見工業は名前を変え、北野高校ラグビー部は存続の危機を迎えてしまっているわけですが、この話を知っていると、関西のオールドファンたちから一目置かれるかもしれません。

 

 

思ったより長くなってしまいました。お目当ての一冊が見つかれば何よりですが、ほかにもいろんな本が出ていますので、また機会を見つけてご紹介できればと思います。

 

6月のスコットランド、来日メンバー発表。

 

ヤバい。フルメンバーです。

15年ワールドカップのメンバーと比較という意味ではRugby Repubulicの記事が簡潔にまとまっています。


スコットランド代表来日予定メンバー
【PR】アラスデア・ディッキンソン◎、WP・ネル◎、モリー・ロー、ロリー・サザランド
【HO】ロス・フォード◎、スチュアート・マキナリー、フレーザー・ブラウン○
【LO】ジョニー・グレイ◎、リッチー・グレイ○、ティム・スウィンソン
【BACK LOW】ジョン・バークレイ、デイヴィッド・デントン◎、ジョン・ハーディー◎、ジョシュ・ストラウス○、ライアン・ウィルソン◎

【SH】グレイグ・レイドロー◎、ヘンリー・ビアゴス
【SO】フィン・ラッセル◎、ルアリー・ジャクソン
【CTB】アレックス・ダンバー、ピーター・ホーン○、ダンカン・テイラー
【WTB】ダミアン・ホイランド、ショーン・マイトランド○、トミー・シーモア◎、ティム・ヴィサー
【FB】スチュアート・ホッグ◎

※名前のうしろの◎はRWC2015日本戦での先発。○は途中出場

 

6か国対抗メンバーずらり。スコットランド代表、来日予定メンバー発表。|NEWS|RUGBY REPUBLIC(ラグビー共和国)

 

ワールドカップの日本戦出場メンバーでなくても、シックスネーションズでも活躍した面々含め、フルメンバーがそろっています…。2013年に来日したウェールズ代表のメンバーが若手中心、3分の1がテストマッチ未経験者だったことを思うと、本気を出してくれるようになったんだなぁと感慨深いとともに、準備状況を思うと不安全開…。

 

日本のメンバーは本日発表ですが、メンバー(すでにリーチは不参加、山田や福岡・藤田も7人制なのかな?)はもちろん、かたやこないだシックスネーションズでがっつりやったメンバー、かたやHCは代行、コーチもよくわからない、招集も直前。少なくともセットプレーでは苦戦するんだろうなぁ…。とすると、結果は推して知るべしなのか。いい意味で期待を裏切ってくれることを願うばかりです。


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本旨とは外れるのですが、スコットランド代表のジャージがおしゃれ。襟があって、さりげなくタータンチェック

 

武蔵野市のラグビーイベント「Sports for All」を取材しました。

先日イベントの概要を紹介させていただいていた武蔵野市のイベント、「Sports for All★ラグビー」、取材に行ってまいりました。

好天にも恵まれ、300人近い子どもたちと、その親御さんらを中心に、大勢の参加者でにぎわいました。

 

目の前の選手に大人も子どもも大興奮。武蔵野市でラグビーイベント開催。|NEWS|RUGBY REPUBLIC(ラグビー共和国)

 

廣瀬さんやホラニ選手はもちろん、冨岡さんは特に現役時代を知るお父さんたちに大人気だったように思います。

 

イベントそのものはいい意味でゆるいというか、のんびりした雰囲気があって、気持ちがよい日曜日でした。廣瀬さんはGW中は色んなところに引っ張りだこだったようですが、疲れた顔はまったく見せず。

 

 トークショーのあとのクラブチーム同士の試合も、80分のフルタイムで実施。

記事にも書かせていただいたマンダラ東京ラグビーフットボールクラブ・45歳のウイング、清水さん。

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「とにかく一度近くで見たかった」という廣瀬氏の要望もあって、敢闘賞!

 

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ヘッドキャップの選手が清水さんです。80分間攻守に体を張ったプレーを見せてくれました。細かいことは置いといて、単純にすごい。

 

 

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試合は後半38分にマンダラ東京が1T1Gを返し、33-29と大接戦。大いに盛り上がりました。

 

サンウルブズに思うこと。

2016年4月23日、サンウルブズの初勝利を見届けました。見ていて熱くなる試合、喜びと、ほっとしたような気持と、そして次戦への期待……となっているわけですが、チーム発足、そして連敗中に改めて出てきていた疑問が消えたわけではありません。試合での戦略、戦術、細かいプレーの選択……そういった話ではなく、勝ちが得られない中で改めて考えてしまった、「サンウルブズというチームってそもそも何を目標にしているんだっけ?」という話です。

1つの勝利がもたらす喜びの大きさで埋もれてしまわないうちに、あらためてサンウルブズというチームについて思うところを整理しておきたいと思いました。

 

 

まず、サンウルブズの第一の目的は、参戦前から岩渕GMが言うように、2019年W杯とその後をにらみ、ティア1と呼ばれる強豪国とのテストマッチが難しい中で、レベルの高い試合を少しでも増やすことを通じ、代表を強化していく、ということにあると考えています。

では本当に代表の強化につながっているのでしょうか?まずチームという目線では、現時点でこの目的が達成されているのか測ることはできないでしょう。4月30日からはじまったアジアラグビーチャンピオンシップ、6月にはスコットランド戦、11月…とテストマッチも予定されていますが、現時点では中竹氏がHCを代行、次期HCのジェイミー氏は9月から、という状況ですし。

※アジアラグビーチャンピオンシップは、当初6月のU20チャンピオンシップに向けてそのカテゴリの選手たちを中心としたメンバー構成で挑む予定でしたが、「色々あって」サンウルブズでなかなか出場機会を得られていない選手、あるいはサンウルブズも含めてスーパーラグビーに参加していないオーバー20の選手も加わった編成になりました。6月のスコットランド戦も含めたアピールという側面もあったからか、点差が開いても締まった試合になっていたように思います。そういう意味では全体の底上げにはつながっていると言えるかもしれません。

 

ではほかの要素ではどうか。チームとしてのレベルアップを見るのは難しいと思うのですが、個人にスポットを当てた時、2015年大会のメンバーから、次の世代・新たに代表となってほしいと思える選手は見えてきているでしょうか?例えばトンプソン=ルークが代表引退を明言し、「特別な人」均ちゃんにいつまでも頼れないロック。4年間、ほとんど五郎丸しか務めなかったフルバック……。残念ながら現状ではサンウルブズスタート前からITMカップで活躍していた茂野を除けば、カークがジャパンを選んでくれたらいいな、ぐらいの発見しかないのが正直なところではないでしょうか。笹倉や山下らをフルバックで試せていないこと、スタンドオフ、センターを務める面々が年齢層も含めて固まりがちなのも気になります。

もちろん、ここにはそもそものチームメンバーの話もあり、現時点でハメッドHCを責める話でもなく(まずもってセレクションに関われていない)、勝つためのメンバーを選んでいく中で2015年メンバー以外の選手がなかなかポジションを奪えてない、という問題もあれば、ケガの問題もあるでしょう。育成と勝利を両立していくのはどんな種目のスポーツ競技にあっても、難しい問題です。例えば前節対戦したジャガーズは、サンウルブズに敗れ、シーズン前はプレーオフ争いのダークホースと呼ばれながら、いまだ1勝しか挙げられていない苦しい戦いが続いています。一方でチームに登録したメンバーのほとんどが1度は試合に出場しています。これはチームとしてアルゼンチン代表を強化すること、が第一の目的にあって「少しでも多くの選手に自分たちが到達したいレベルを体験させよう」という意図が現場と運営側で共有されているからこそできていることなのではないでしょうか(根拠となるようなインタビューや記事はないのですが…)。

ようやく1つ勝てた今、次節以降をどういったメンバーで戦っていくのかが、この要素をどう評価していくかのポイントになると思います。それによって、チームとしてどういう優先順位を持っているのか明らかになってくるのかな、と思います。そのとき、ハメッドHCら現場、チームを運営するジャパンSR、そして日本協会で違う方向を向いていないことを祈るばかりです。「プロの指導者として勝利が最優先」は決して自明のことではなく、プロであるならばなおのこと、チームとして「どこを目的地とするかを共有できているのか」という話ではないかと思うのです。

 

 

そうした話にもつながって、もう1つ気になってくるのは来期以降のサンウルブズです。選手、コーチ、スタッフ全員にかかわって、きちんと「残りたいチーム」になれるような体制づくりは進んでいるのでしょうか?

例えば、キャプテンの堀江は「ほかにもいいオファーはあったけれど、日本のラグビーのためにという思いでサンウルブズを選んだ」という趣旨の発言をしています。これって日本のスポーツ新聞なんかが大好きな「男気」なのかもしれないですが、健全な話ではないですよね。それこそ選手個々の男気に頼って、いつまで続けることができるのでしょうか。

参加カンファレンスが南アフリカになってしまっていることに起因するような問題は難しいかもしれませんが、ワールドカップ前にエディーとの衝突の一因になったという選手の待遇(サンウルブズだけではなく、日本代表も含め、ですが)は改善されるのでしょうか?あるいは、一部で指摘されているような選手に練習時間変更の連絡が来ないという信じられないような運営体制の問題。さらに重大な日本代表との関連性……代表選手はサンウルブズに、という話はどうなっているのでしょう。特に最後の問題が9月以降まで置いておかれたとしたら、代表を第一優先に考えている選手がこの話が決着する前に他チームからオファーを受けた場合、どう考えればいいのでしょう。

 

 

ワールドカップ直後の今期、なかなか時間が取れなかった家族のことを優先した選手の選択も、来期は状況が変わることもありうるでしょう。カンファレンスを移れないか、といった話もしてはいるようです。発言力という意味ではチームが強くなることも優先しなくてはならないでしょう。まして、契約の話や運営の話は、試合や競技そのものではない以上、表に出ない、出せないこともたくさんあって当たり前だとは思います。

私自身、フルタイムでラグビーに関われておらず、ましてサンウルブズや代表などの取材は行っていないため、得られる情報に限りがあるのが正直なところです。加えて今回挙げた疑問、とくに後者の来期の話は今すぐ何か動きがあるとは思えません。しかし、だからこそ、これらを1つの勝利で忘れることなく頭の片隅に置いておきたいと思うのです。

 

 

最後に、少しだけですがサンウルブズについて考えるためのヒントになりそうな記事を。

 

サンウルブズ、山田章仁&真壁伸弥の追加招集が日本人じゃない…って、違うから!【ラグビー雑記帳】(向風見也) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

代表強化担当者に聞く日本ラグビーの未来19年のW杯に向けたプランと展望 - スポーツナビ

 

4月28日(木)報道ライブINsideOUT エディージャパンを越えろ!日本ラクビー次の一手とは - YouTube