休日にライターのようにラグビーの取材をすることもある(けど最近お休み気味)

平日は私企業で営業マン、休日は時々ラグビーイベントとかの取材をしている30代男性のブログです。でも最近は本とか映画とかの話が多いです。

おいしいコーヒーの真実

コーヒーは世界で最も日常的な飲物。全世界での1日あたりの消費量は約20億杯にもなる。大手企業がコーヒー市場を支配し、石油に次ぐ取引規模を誇る国際商品にしている。私たちは「おいしいコーヒー」にお金を払い続けている。しかし、コーヒー農家に支払われる代価は低く、多くの農家が困窮し、農園を手放さなくてはならないという現実。

一体なぜ?

と、いうことで、おいしいコーヒーの原産地エチオピアと、
その消費地を断続的に結んで映像は進む。

エチオピアの置かれている状況はコーヒー農協連合会の代表、
タデッセ=メスケラを中心に描かれる。
コーヒー豆の生産地から、コーヒーとして消費されるまでに6度の中間取引が行われ、
農家の手元に届くのは1kgあたり1エチオピアブル=0.09459ドル(2009/01/15)だという。
「適正な価格」を求める祈りが行われ、実際タデッセもフェアトレードの普及を目指し、
主な消費国、つまり欧米(映画の中にはなかったが日本もその一つ)を回る。
エチオピア消費地の断絶が、映画が進むに連れて徐々に近づいていく。
タデッセがイギリスで直接売り込みをしたり、展示会でブースを出したり。
そしてWTOの会議。

コーヒーが生産され、消費されるまでの過程を通じ、多くのことを訴えるドキュメンタリー。



印象に残ったのは援助を受けているシーン。
「モノを恵んでもらう姿を子どもに見せることほど悲しいことはない
 一生懸命働いても報われないと教えているようなものだ」という言葉。
彼らにとって将来的に本当に必要なものは自立できる貿易システムであり、
一時的な援助ではない。魚を与えるのではなく、釣り方を、教えなくてはならない。
そうしないのは、そのほうが都合がいい人たちがいるからで、
僕自身もその人たちの一部になるんだろうとは思うけれど。

ノブレス・オブ・リージュという言葉がぱっと思い出されたのと
何にお金を使うのか、お金を使って消費することがどういうことなのか
(単純に対価としてではなく)、を教養というか、
今日の世の中で生きる上での前提的な条件として考えなくてはならないと思う。

タイミングよく日経の12日の「領空侵犯」に小山薫堂氏の「安さだけで買うな」
という内容のインタビューが載っています。
ただ高いものを買えばいいってわけでもないと思うけれど、
なるべくお金を使うことに対して自覚的でありたいと思います。


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